はじめに
グランピング場の経営をご検討中の方に送る「グランピング経営で失敗しないために」シリーズ。
グランピングというと「グラマラス(魅力的)なキャンプ」と説明されることが多いのですが、その本質はキャンプとは大きく異なります。
第一回目の今回はそのターゲットの考え方にご説明します。
ターゲットはすなわち顧客であり、この捉え方を間違えるとサービスやプロモーションにおいてもまったく無駄になってしまいますのでご注意下さい。
グランピングユーザー≠キャンパー
前述の通り、グランピングというと「グラマラス(魅力的)なキャンプ」と説明されることが多いのですが、そのターゲット層は実はキャンパーではありません。
キャンパーのキャンプの楽しみ方は「テントを設営する」「火を起こす」「食事を作る」という過程に重きを置いている人が多いのが特徴です。
上級者にいたっては自然の中にある素材を活用してランタンポールや飯盒スタンドなどを作るブッシュクラフトというスタイルでその過程を楽しんでいる方もいます。
一方、グランピングユーザーはアウトドアは楽しみたいけれどもキャンパーのような「過程」を楽しもうという方は多くありません。
テントや寝具、調理器具などの設備の充実度や調理、食材提供などのサービスの有無が重視されます。
アウトドアという点は共通していますが、ある種の不便さや手間を楽しむキャンプと快適さを求めるグランピングユーザー、ある種対極の存在と位置づけられるのではないでしょうか。
女性層の取り込みが鍵
ここ数年のアウトドアブームを牽引しているのは女性です。
SNSブームが後押しするなか、「おしゃれな非日常」として女子会をグランピング場で開催するシーンも多く目にします。
彼女たちがグランピングに求めるものは
・オシャレさ
・快適性
・SNS栄え
・設備の清潔感
です。
雰囲気がオシャレなだけで清潔感がなくても駄目ですし、SNS栄えする撮影スポットを用意してもサービスが充実していなければ彼女たちは離れていきます。
彼女たちによるSNSでの拡散はプロモーション上とても重要ですので、その点を重視した施設・サービス作りが非常に重要です。
平日利用層の取り込み
グランピング場に限らず、土日に集客が集中する業種において重要なことは「平日利用層の取り込み」です。
では、グランピングにおける平日利用の需要はどのような層にあるのでしょうか。
法人利用
ひとつは「法人利用」です。
社員研修や社員旅行など普段ホテルなどを使って行われる行事向けにグランピング場を開放するというやり方です。
法人側としては少し変わった環境で社内行事を行えることは魅力的に映るはずです。
その際には行事に必要であろうwi-fi環境やプロジェクターなどの設備の整備が必要になってきます。
インバウンド
もうひとつは「海外からの旅行者」です。
現在はコロナの影響もありインバウンド需要は見込めませんが、このような状況だからこそ来るコロナ明けの海外からの旅行者向けのサービスの充実を今から行っていく必要があります。
日本的な設備であったり、和食やベジタリアン向けのメニュー、ハラールなどへの対応が出来ていればそれだけで他のグランピング場との差別化にもなります。
さいごに
「グランピング経営で失敗しないために」シリーズの第一弾「ターゲットの考え方」いかがだったでしょうか。
どのようなビジネスにおいても同じですが、ターゲットの見極めは非常に重要です。
あらゆるマーケティング活動の起点になるので、ここを見誤ると全てがうまくいかなくなります。
「グランピング経営で失敗しないために」シリーズ、今後も定期的に掲載していきますので、参考にしていただければ幸いです。