イニシャルコストを見通すポイント
都市計画法
イニシャルコストを考えるにあたってはまず、都市計画法の対応から検討します。
大規模な開発工事が必要になるか否かでイニシャルコストが大きく変わってくるからです。
特に10000㎡を超える開発許可申請は、かなりの時間を必要としますので、グランピング施設の開発地としては、厳しいです。
また、水道、電気、排水関係のインフラ整備条件も重要です。
未開発地の場合は、上水の引き込み工事に相当額の負担が必要になるケースも多く、特に注意が必要です。
排水処理
また、海や湖の近くでは、排水処理についても事前調査が必要です。
湖や川に放流制限があるケースもあり、イニシャルコストに大きく影響します。
さらに海への放流には、漁業協同組合の同意が必要なケースも多く、時間を要することもあります。
他にも用途地域、防火、自然公園法、景観条例など専門的な知識がないと対応が難しい場合もあります。
イニシャルでかかるコストと時間によって事業計画も大幅に変わってきますので、まずは上記を参考にコストと時間を洗い出して見ましょう。
儲かるグランピング施設の条件(客室単価・オフシーズン・食事提供)
グランピング施設の経営で最も大事な指標はADR(客室単価)です。
この理屈はリゾートホテルや旅館でも共通です。
観光系の宿泊業態では、売れる日と売れない日は、ある程度共通しています。
日本は土曜・日曜休みの方が大半で、長期休暇も全国でほぼ同時期です。
春休み・GW・夏休み・冬休みは、どこも時期は一緒ですから、販売しやすい日は、どの事業者も同じです。
この確実に予約がいただけるタイミングでしっかりと利益を稼げる施設づくりが、まずグランピング経営の第一ポイントとなります。
次にオフシーズンの集客です。
集客の時期によってターゲット層を変化させていくこと、またそのターゲット層に響く宿泊プランや料金プランをタイムリーに打ち出していく必要があります。
夏シーズンはファミリー層を中心に、春シーズンや秋シーズンは未就学児童の母親や若者グループを中心に考えていくことがベースとなります。
施設の立地によっても、集客ターゲットは個別に検討する必要があります。
最後に、グランピング経営でしっかり利益を出す上で大事なポイントをお伝えします。
それは、「経費をできるだけ変動費化させる」ということです。
グランピングは費用の大部分を変動費化することが可能なのです。
特に食材提供については工夫が可能で、全国グランピング協会が企画に関わった施設では、施設内で食材の仕込みは一切行わない事業所もあります。
仕込みや調理を施設内で行う前提で事業を組み立てると、どうしても固定人件費が大きくなってしまいます。
このような仕組みですと、繁閑の大きいグランピング事業では、閑散期の赤字リスクが高くなります。
食事提供をケータリングのような形に近づけることで、この点は解消できます。
また、客室の清掃費も、グランピング施設間でバラつきが大きい費用の一つです。
予約状況は数週間前から、予測が可能であり、宿泊予約があった場合のみ出勤していただく雇用契約のスタッフを数名かかえると収益性の高いグランピング経営が実現できます。