経営不振が続く新潟県柏崎市高柳町高尾の温泉宿泊施設「じょんのび村」を運営する第三セクターは、経営改善計画をまとめた。
2021年11月から22年3月は、販路拡大と物販事業の強化、イベントなどの企画開発に力を入れる。
赤字が続いている営業損益を22年度にプラスマイナスゼロとし、23年度は1千万円の黒字に転換させる収支目標を掲げた。

第三セクター「じょんのび村協会」は、12年度から9年連続で営業損益が赤字となっている。

柏崎市は経営改善に向け、社長を公募。
144人の中から経歴や企画力などを評価して旅行大手エイチ・アイ・エス(HIS)の元社員、吉村英治氏(45)を選んだ。吉村氏は10月1日付で社長に就任した。

経営改善計画では22年3月までの販路拡大策によって、33%を見込んでいた下期の客室占有率を45%に引き上げたい考えだ。

HISやJTBへの販売促進や営業を強化し、オンライン旅行代理店も活用する。
旅行関係者の視察を増やし、施設を売り込む。

物販事業の強化策としては、オンラインツアーを企画。
日本酒やコメなど地域の特産品を参加者に送り、画面越しにツアーを楽しんでもらう。
地域を周知し、誘客につなげる狙いもある。

企画開発では、12月のつり橋イルミネーション、22年2月の雪祭りイベント開催といった新たな取り組みも始める。

21年度の営業損益は1489万円の赤字を見込むが、各取り組みによって20年度に比べ赤字幅を約1350万円圧縮する。

柏崎市は23年度末までの黒字化を求めている。

23年度末までの取り組みとしては、周遊型観光構築や豪華なキャンプ「グランピング」といった構想を例示。
収支目標は、22年度に営業損益をプラスマイナスゼロとし、23年度は1千万年の黒字とした。

吉村氏は10月下旬の市議会産業建設委員協議会で計画を報告した。
委員から人材育成や活用に関する質問があり、吉村氏は「できれば地元の若者を雇用したい。
旅行業界で培った経験や人脈を生かしたい」などと話した。
(出典:新潟日報)